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2017.03.27 Monday

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    『 風 』  No.41 (2月19日発行)

    2015.03.07 Saturday

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      ◆学校評議員会を開きました。
      「学校から離れた旭ヶ丘地区でも交通マナーはいいですよ」といううれしい話や延高と星雲で志望の揺れていた中学生が「もっと学校の情報がほしい」と言っていたという今後に向けた有意義な話などがありました。
      評議員による本校の教育活動への外部評価もしていただきました。概ね「ほぼ期待通り」という「B」評価でしたが、各主任の先生方から具体的な取組みを報告させていただいたところ、「もっと高い評価でもよいくらいです」と言っていただきました。
       
      少年院の子どもたち
       
      ◆本の紹介をします。
       
      ◆人気テレビ番組「笑点」の大喜利メンバーだった桂才賀さんという落語家がいらっしゃいます。「笑点」のレギュラーは8年間務められました。その一方で、面接委員としての委嘱も受けて今でも続けておられるのが、少年院や刑務所の慰問。ボランティアだそうです。この方に「子供を叱れない大人たちへ」という本があります。講演を聞かれた方から紹介されて手にしました。
       
      ◆栃木県足利市の足利警察署で補導した少年少女たちに川柳を作らせたことがありました。テーマは親や先生の悪口を思いっきり書けというものです。ガミガミ説教しても一向に効果がないことを案じた生活安全課長さんの発案です。
      彼らは面白半分に散々に悪口を書きまくったそうです。しかしそのうちなぜか、どの子も書き続けることができなくなったといいます。涙を流す子も出てきたそうです。悪口ばかり書いている自分が情けなくなったらしいのです。それを機に警察では罪を諭したのだそうです。
      このことを知った市の教育委員会では、一般の高校生の指導にも生かそうと、参加校を募って「現代高校生気質川柳」という企画を実施しました。すると2000点の作品が集まり、無記名だったので、彼らの日頃思っていることが存分に書かれていたそうです。
       
      勉強中顔出す父はただのジャマ
      ピアス開け心の中まで穴が開く
      これもまた友情なのかと回し吸い
      この人は向いてないのに教育者
      金かけて立派な大人が遊んでる
       
      このような作品が集まりました。言いたい放題ですね。
      しかし、高校生たちの投票による優秀作品の選出があったのですが、ダントツの1位が次の川柳でした。
       
      たまにはヨ叱ってみろよ大人たち
       
      ◆子どもたちは自分の過ちに気がついています。その中で、本気でこっちを向いて、諌めてくれと望んでいたのです。濃密な人間関係や愛情を求めているといってもいいかもしれません。示唆に富んだ実話です。
      この本には少年院で聞いた「悲しかった父さんの言葉」や「うれしかった父さんの言葉」も載っています。同様の母さんや先生に向けた言葉もあります。彼らの犯した罪は決して小さくはないのですが、考えさせられました。ほんの一部ですが、紹介します。
       
      ◆悲しかった言葉
      「お前の籍はうちから外すからな」
      「あんたなんか生まなきゃよかった」
      「お父さんと離婚することになったよ。お前はどっちについていくの?」
      「もう学校に来なくていいです」
       
      ◆うれしかった言葉
      「お前は私の子だ、大切な息子だ」
      「親だから、何があってもあんたの味方よ」
      「よくがまんしたな、えらいぞ」
      「やればできるじゃないか」
       
       

      『 風 』  No.39 (2月4日発行)

      2015.02.06 Friday

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        宮崎の宝
         
        ◆ 先週、森純雄先生のご縁で先生と先生のご長男、川越先生、橋口先生の5名で、今年からサンフランシスコ・ジャイアンツでプレーする青木宣親選手のご実家にお招きいただきました。
         玄関を入るとすぐに所狭しと並べられた、おびただしい数のトロフィーやカップ、グローブ、バット、ユニフォームが目に飛び込んできました。きちんと年代順にショーケースに陳列してあり、そのまま青木ミュージアムになっていました。こんな玄関見たことありません。
         「うぁ〜(^0^)4名の野球少年は歓声を上げてしまいました。とにかくその数の多さと恐らく外では見られないだろうという貴重さに度肝を抜かれました。
         東京6大学の早稲田大学時代のものから、NPBの東京ヤクルトスワローズ、MLBのミルウォーキー・ブルワーズ、同カンザスシティ・ロイヤルズと歩まれてきた歴史そのままに、その時々の新人賞やMVP、首位打者、最多安打、ベスト9、ゴールデングラブ賞などなど、数えきれない毎年のようにある、数々の栄誉が輝いていました。WBC関連もありました。侍ジャパンの面々が寄せ書きをしたユニフォームに袖を通し、そのヘルメットをかぶり、指には戦った証である何百万円もする特製のリングをはめ、記念撮影。すっかり野球少年に帰ってしまいました。
         お父さんの話によると、自宅を訪ねる関心のある小中学生にも快く公開をされているとのこと、宮崎の宝だと思いました。いや、今や日本の宝ですね。
         「今度から西海岸ですから、近くなりました」よく観戦で渡米されるお父さんはこう言われました。アメリカ西海岸が近い…。スケールが違います。ショーケースには、青木選手がシーズン終盤まで大活躍し、終わったばかりの昨シーズンのワールドシリーズのチケットが7枚並んでいました。
         
        ◆ 青木選手は、自分の好きなことが仕事になって(もちろん当然ながら、そこには人並み外れた努力もされているわけですが…)、しかもその功績が社会の人からも高く評価されている、こんなすばらしいことはないなぁと、この「風」を書きながら思っていましたら、この話どこかで聞いたことがあると思い出しました。
         
        ◆ 記憶をたどると、もう亡くなられましたが、竹内均さんにたどり着きました。若いころ、竹内先生の講話を聴いたことがありました。
         竹内先生は地球物理学者で東大の名誉教授。というよりも、科学雑誌「Newton」の創刊者。あるいは、小松左京さん原作の映画「日本沈没」でプレートテクトニクスを紹介した学者。あのメガネの。と言った方がなじみの深い先生もいらっしゃるのではないでしょうか。
         その先生が、その昔、宮崎大宮高校にいらっしゃって高校生相手に「自己実現」とは、
          ー分の好きなことをやって
         ◆―淑に食うことができ
          のみならず、その結果が他人によって高く評価される
        こと、と話されました。さらに、そのためには
          ゞ佇
         ◆\議
          感謝
        が肝要である、とおっしゃいました。
         高名な先生がこのように平明な言葉で語りかけられたものですから、大変印象深く思ったものでした。
         後年、福沢諭吉の「学問のすゝめ」と並んで明治の青年たちに広く読まれたサミュエル・スマイルズの“Self-Help, with Illustrations of Character and Conduct”を「自助論」として翻訳されたのも竹内先生であることを知りました。この本を読んでいると、先年竹内先生が話されていた「勤勉」ということばが強くよみがえってきます。
         ・ 天は自ら助くる者を助く
         ・ 常識や集中力、勤勉、忍耐のような平凡な資質が一番役に立つ。たとえ、天才であろうと、このような
          当たり前の資質を決して軽んじたりはしない。

         ・ 意志の力さえあれば、人は自分の決めたとおりの目標を果たし、自分がかくありたいと思ったとおりの
          人間になることができる。

        「自助論」に出てくることばに、日々努力する大リーガー青木選手が重なります。

         
         

        『 風 』  No.38 (1月28日発行)

        2015.02.02 Monday

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          教養を考える
           
          ◆ 自宅学習に入る3年生に例え話をしました。
            ここに一つのバケツがあります。そこに大きな石を入れました。さてバケツは一杯でしょうか。いいえ、もう石は入りませんが、砂利ならまだ入ります。そこで入るだけの砂利を入れました。さてバケツは一杯でしょうか。いいえ、もう砂利は入りませんが、砂ならまだ入ります。そこで入るだけの砂を入れました。さてバケツは一杯でしょうか。いいえ、もう砂は入りませんが、水ならまだ入ります。そこで入るだけの水を入れました。もうバケツは一杯です。
            言いたかったのは、最初に大きな石を入れない限り、大きな石は入らないということです。自宅学習に入る3年生ひとりひとりにとって、この大きな石が何なのか…。それは夢であったり、志であったり、友であったり、それぞれにあると思います。大切なのはそれを最初に入れない限り、それを永遠に失うことになるということです。重要性の低いものから自分を満たしてしまうと、一番大切なものを自分に入れることはできなくなるのです。今、自宅学習に入る3年生にとって、この大きな石に当たるのは、私は「教養」だと思います。そんな話をしました。勉強や読書で次のステップに進む準備をしてほしいと思っています。
           
          ◆ リベラルアーツということばがあります。池上彰さんの「おとなの教養」(NHK出版新書)によると、「ギリシャ・ローマ時代に源流をもち、ヨーロッパの大学で学問の基本とされた7科目」のことで、「文法・修辞学・論理学・算術・幾何学・天文学・音楽」のことだそうです。かつてはこうした科目に習熟することが「教養」でした。
            ちなみに「リベラル」は「自由」、「アーツ」は「技術、学問、芸術」を意味するそうです。つまり「リベラルアーツ」とは「人を自由にする学問」ということになります。マサチューセッツ工科大学で音楽の授業が充実していて、ピアノが何台も並んでいる話や経営学はすぐに役立つ学問だから大学では教えないという話が紹介されています。
            そこで、池上さんは現代の「教養」を「すぐには役に立たなくても、社会に出て、やがて有効に働くようになる」力と考え、それは「自分はどういう存在なのかを知ること」だとし、「宗教・宇宙・人類の旅路・人間と病気・経済学・歴史・日本と日本人」の7科目を現代の教養と捉えました。
           
          ◆ もう10年以上も前になりますが、平成14年2月に「新しい時代における教養教育の在り方について」という答申が中央教育審議会から出ています。
            その背景には、社会が物質的に豊かになってきた過程で価値観の多様化が進み、少子高齢化の進展で家族や地域の在り方が変わり、情報化の進む中で体験の機会が減り、科学技術発展の反面で環境や生命倫理に関する問題が起きた等、様々に既存の価値観が揺らいできたということがあります。
            そのような中、「自らが今どのような地点に立っているのかを見極め、今後どのような目標に向かって進むべきかを考え、目標の実現のために主体的に行動していく力」が新しい時代に求められる教養であるとされています。
            また、「教養とは、個人が社会とかかわり、経験を積み、体系的な知識や知恵を獲得する過程で身に付ける、ものの見方、考え方、価値観の総体」ともあります。
           
          ◆ 阿部謹也さんは、その著書「『教養』とは何か」(講談社現代新書)の中で、「『教養』がある」ということを「自分が社会の中でどのような位置にあり、社会のためになにができるかを知っている状態、あるいはそれを知ろうと努力している状況」としています。
           
          ◆ このように「教養」は社会との関わりの中で論じられ、自分に何ができるか問いを立てる中で獲得されていくものだと言えそうです。正に今、関わる社会の大きく変わろうとする高校3年生に、時間のある限り考えてほしいことです。それぞれに違う「教養」があると思います。